グル音で機械性イレウスと複雑性イレウスを鑑別する
グル音(腸蠕動音)は頻度だけでなく強度も評価したほうが良いという話。
グル音の頻度の判定は以下のように行う。
・1分間で5回以上グル音が聞こえる→「正常」
・1分間で常に聞こえ続ける→「グル音亢進」
(by腸炎、過敏性腸症候群、機械性イレウス)
・30秒間で一度も聞こえない→「グル音減弱」
・2分間で一度も聞こえない→「グル音消失」
(by麻痺性イレウス、びまん性腹膜炎、急性腸間膜閉塞症など)
さて、とある報告によるとグル音亢進でも減弱でも同じぐらい腸閉塞を示唆するらしい。(グル音亢進の腸閉塞に対する特異度は88.6%、陽性尤度比は3.5、グル音減弱の腸閉塞に対する特異度は92.8%、陽性尤度比は3.2)
機械性イレウスの場合はグル音の頻度が上昇し、更に大きさが強くなっており、所謂金属音が聴取される。
一方、麻痺性イレウスの場合は腹膜炎などの進行により腸管が麻痺して動かなくなり頻度が現状し、更に音も小さく聞こえることが多い。