プルゼニドとラキソベロンの違い
プルゼニド®(センノシド)とラキソベロン®(ピコスルファートナトリウム)の違い
◯プルゼニド®(センノシド)
プルゼニドはプロドラッグで腸内細菌によって分解されてレインアンスロンという物質になることによって大腸刺激性物質へと変換される。こういう作用機序であるため効果の発現には8〜10時間程度時間がかかる。また、耐性が付きやすい薬でもあるため長期連用は避ける(腸管神経叢へ影響を与え、逆に弛緩性便秘となってしまう)。
禁忌:急性腹症や重症硬結便
◯ラキソベロン®(ピコスルファートナトリウム)
ラキソベロンもプルゼニドと同様に腸内細菌で分解されることにより大腸刺激性物質へと変換され、腸管の蠕動運動を亢進させる。これも効果発現まで7−12時間程度かかる。
禁忌:急性腹症や腸閉塞
プルゼニド、ラキソベロンともに効果発現まで10時間ほどかかるため、就寝前に服用すれば朝の排便が期待される。また、それぞれ同じようなメカニズムの薬であるがガイドラインではピコスルファートナトリウムの方がエビデンスグレードは上にされている。
ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン®)
エビデンスグレードⅡ:中程度の質のエビデンスがある
推奨レベルB:中程度の質のエビデンスに基づき、便秘の治療法として推奨できる
プルゼニド(センノシド®)
エビデンスグレードⅢ:質の低いエビデンスがある
推奨レベルC:便秘の治療法として推奨するにはエビデンスの質が低い、もしくは推奨できない
(追記)
テレミンソフト坐薬®(ビサゴジル)について
テレミンソフト坐薬もラキソベロンやセンノシド同様に大腸刺激性の便秘薬であるが、肛門から直腸に直接入れるという点で異なる。効果の発症も非常に短時間で5〜60分で効き始める。プルゼニドやラキソベロンなどでも効果がない時、あるいは即効性を期待したいときなどに用いられる。主な適応は腸の運動が低下することによる弛緩性便秘であり、腹痛や下痢を呈する痙攣性便秘には用いない。
参考2:「薬のデギュスタシオン」(岩田健太郎、金芳堂)