つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

PetCO2とは何か

PetCO2とは呼気終末二酸化炭素分圧のこと。

英語で言うとend-tidal PCO2。

 

【CO2とPaCO2(動脈血炭酸ガス)の関係】

CO2とは細胞が呼吸を行うと産生される気体である。全身の細胞が呼吸をし、作られたCO2は血流に乗り、肺から呼気として放出される。健常人では1分間に200mlのCO2が放出されると言われている。

PaCO2は組織で産生されるCO2の量と、肺から換気により放出されるCO2の割合で決まる。一般的には換気量が多ければ多いほどPaCO2は低下するし、換気量が少なければCO2は蓄積してPaCO2は上昇する。

 

【ではPetCO2(呼気終末二酸化炭素分圧)とは何か】

PetCO2は呼気に含まれるCO2の分圧を意味しており、PaCO2と同じ二酸化炭素を測って入るが測定対象が異なる、PaCO2は動脈中のCO2の分圧、PetCO2は呼吸によって吐き出された気体中のCO2の分圧。

基本的にはPetCO2はPaCO2よりも2〜5mmHg低い値を取り連動しており、PetCO2の値からPaCO2を推測することが出来る。(何故PetCO2はPaCO2より低い値なのか→肺胞のCO2濃度と毛細血管中のCO2濃度は原理的におなじになるはずであるが、肺胞に出たCO2は換気に関与しない気道(死腔)の気体によって希釈されてしまうのでPetCO2はPaCO2よりも低い値になる)

PaCO2は動脈採血をしなければならないので、PetCO2は非侵襲的にモニターできるという点で有用である。両者の値が乖離するような病態の場合であれば血液ガス分析を行い正確なPaCO2を求める必要がある。例えば、肺塞栓や肺血流量の低下などがあると肺胞死腔が増大し、PetCO2は更に低下する。一方で、PaCO2は体内からの二酸化炭素の放出が低下することになるので血中CO2は上がるため、上昇する。

 

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画像参照:http://www.covidien.co.jp/medical/academia/monitoring/capnometer

 

PetCO2が上昇する原因:

PaCO2が高くなっている、つまり換気量の低下や体温の上昇によるCO2産生の増加などが原因と考えられる。もしPetCO2が急激に上昇している場合、悪性高熱症、血流遮断後の再灌流など

 

PetCO2が低下する原因

PaCO2の低下、つまりは過換気など換気量が過剰であることが考えられる。他にも低体温により組織でのCO2産生の低下が原因となることもある。

 

その他の原因

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【参考】http://wp.vcu.edu/vcuem/wp-content/uploads/sites/4827/2015/03/Capnography-Anes-2013.pdf,http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/35/1/35_130/_pdf