橈骨神経麻痺への対応
橈骨神経麻痺(土曜の夜麻痺)への対応
【撓骨神経麻痺とは】
深く飲酒をしたり睡眠薬を飲んで片腕を下にして眠りにつくと橈骨神経が長時間圧迫されて撓骨神経麻痺となる。本来であれば寝返りにより圧迫が解除されるが深い眠りの場合それが出来ずに神経が長時間圧迫されてしまうのである。橈骨神経は橈骨神経溝で上腕骨に巻き付くように走行していて骨と近接しているために損傷を受けやすい。
カップルや夫婦が恋人に腕枕をしながら眠ったりしても起こる。よって土曜の夜症候群、ハネムーン症候群などとも呼ばれる。診察時、可能であれば下のような図を書いて、手のどの部分の感覚が低下しているか調べ、筋力低下の有無についても調べる。しびれの分布としては下図のように手背側の第一指〜第四指のしびれが出現するが、筋力低下のほうが症状としては目立つ。前腕の手の甲側で、指を伸ばしたり、手首を背屈させる筋肉の麻痺が出現する。垂れ手、幽霊の手のようになる。
http://kobe-jiko.net/page-2038より引用
【橈骨神経麻痺の起こる部位】
橈骨神経麻痺でどのような運動障害が出るかは神経麻痺の起こる高さによって変わってくる。
1、腋窩部=上腕三頭筋より末梢の運動麻痺+橈骨神経支配域の知覚神経麻痺
2、上腕骨中央部=高位麻痺
3、前腕部=低位麻痺
●腋窩の位置で障害されると三角筋も含む全ての筋肉に影響が出る。
●高位麻痺(上腕レベル)では手関節の背屈と全指のMP関節伸展ができなくなる→下垂手
●低位麻痺(前腕レベル)で生じた場合は腕撓骨筋と長橈側手根伸筋が機能するので手関節の背屈は可能。→下垂手にはならないが、MP関節の伸展は出来ない。
【治療・リハビリ】
撓骨神経麻痺の場合、多くの場合が圧迫による麻痺なので、手根管症候群のように手術は必要にならない。が、元通りになるには1−3ヶ月程度必要になるので気長に治療が必要。対症療法的にビタミン剤、保温などを行う。
場合によっては副子固定、リハビリも行う。副子は前腕近辺から中手指節関節を少し超えるまでの範囲に装着して手関節は90度の伸展位で保持し、三角筋も施す。副子と三角筋をつけることで腱や靭帯の浮腫や歪みを防ぎ、機能回復をスムーズに行うことが可能。
また追記、編集します。