全収縮期雑音とは
全収縮期雑音(収縮期逆流性雑音)について
1音から2音まで連続する雑音のことであり、音量はほぼ一定。
心室中隔欠損症、僧帽弁閉鎖不全症などで聴取される。
1、心室中隔欠損症(VSD)
VSDでは欠損孔を通過する前収縮期性雑音を聴取できる。
最強点は第四肋間胸骨左縁(膜性部の欠損項の場合)。血液が左室から右室になだれ込み、乱流が激しいのでこの雑音は大きく、胸壁上の広い範囲に伝播し、時に振戦を振れる。欠損孔が小さい場合には乱流の程度が更に激しくなるので雑音はより大きくなる。
2,僧帽弁閉鎖不全症(MR)
左室から左房へ血液が逆流するので、全収縮期逆流性雑音が聞こえる。左腋窩から背中に放散する傾向がある。心室中隔欠損症の場合は荒々しくスリルがある上、僧帽弁閉鎖不全症のような放散がないので鑑別することができる。