褥瘡の原因とメカニズム
■褥瘡(床ずれ)の概念
持続圧迫により皮膚への血流が途絶え、阻血性の壊死が生じて発症する皮膚障害のこと。寝たきり状態にあると、骨の突起部に体圧が集中し、皮膚が骨とベッドに挟まれることで生じる。多くの患者は仰臥位で臥床するので体圧が集中しやすい仙骨部に褥瘡は好発する。
■褥瘡の原因
褥瘡は一定の場所に一定以上の力が絶えずかかることによって皮膚の血流が途絶えることで生じる。寝たきりの患者では健常人と違い「しびれる」「痛い」などの感覚を自覚して体位変換ができないので、褥瘡が生じてしまう。つまり感覚障害、運動障害が褥瘡発生の原因とも言える。
具体的には200mmHg以上の持続的な圧迫が2時間以上加わると皮膚が壊死することが知られているので、2時間毎に体位変換が必要となる。
■褥瘡の検査・診断方法
褥瘡の状態を評価するためにDESIGN-Rという方法がある。
D=深さ E=浸出液 S=大きさ I=炎症 G=肉芽組織 N=壊死組織 P=ポケット R=評価
■褥瘡の治療
褥瘡には黒色期、黄色期、赤色期、白色期の4つの段階がある。
黒色期・黄色期:壊死に陥った皮膚が黒色や黄色となり創面に固着した状態。デブリードマンが必要。その後は抗菌作用と給水作用を持つ軟膏を用いる。
赤色期:壊死組織が除去され肉芽組織に被われた状態。良性の肉芽形成を促進するためにフィブラストスプレーを用いる。
白色期:治癒過程の最終段階。アクトシン軟膏や創傷被覆材を使用する。