・コロナ患者の8%が末梢神経障害を呈していたとの報告がある。
・COVID-19の神経障害の病態は大きく非免疫性、免疫性の病態に分けられる。神経系への直接的なウイルス侵入は稀であることが剖検所見からも示されている。
・免疫性病態に関しては、自己免疫性に脱髄性疾患(急性散在性脳脊髄炎、大脳白質病変ほか)や神経筋疾患(Guillain-Barré症候群、Miller Fisher症候群、ほか)が生じたり、全身性炎症が生じる。
・コロナ患者の末梢神経障害の起こる理由としては、免疫反応やコロナに対する薬剤による副作用、また頻度としては少ないが、ICUでの長期入院による圧迫による末梢神経障害やもともと指摘のある糖尿病などによる末梢神経障害のリスク因子の保有などが関係している。
・SARS-CoV2はウィルス性の末梢神経障害は引き起こさない。神経毒性のあるものとしては、ダプトマイシン、リネゾリド、ロピナビル、リトナビル、ヒドロクロロキン、ベシル酸シサトラクリウム、クリンドマイシンそしてステロイドなどがありうる。
参考)
Neurologic Findings Among Inpatients With COVID-19 at a Safety-net US Hospital