アルツハイマー型認知症の特徴
アルツハイマー型認知症の特徴メモ
(認知症ガイドラインより抜粋)
◯アルツハイマー型認知症の特徴
1,潜在性に発症、緩徐に進行
2,近時記憶障害で発症することが多い
3,進行に伴い、見当識障害や遂行機能障害、視空間障害が伴なう
4,アパシー(無意欲)やうつ症状などの精神症状、病識の低下、取り繕い反応と行った特徴的な対人行動
5,老初期発症例では失語症状や視空間障害、遂行機能障害などの記憶以外の認知機能障害が目立つことも多い
6,病初期から著明な局所神経症候を認めることは稀
◯アルツハイマーの中核的症状は記憶障害
・近時記憶の障害かつ、出来事記憶(エピソード記憶)の障害が特徴的。
・検査としては遅延再生課題が最も鋭敏(さくらねこ電車を後で答えてもらう、ヒントを与えても思い出せない)
◯症状の進行は記憶障害から始まり…
・見当識障害、遂行機能障害、視空間障害、言語障害などが加わる
・見当識障害は時間→場所→人の順番に進むことが多い
・遂行機能障害は比較的早い時期から認められることが多い(家事など日常業務が出来なくなる)
・視空間障害は図形模写が困難になり近所でも迷うようになる
・言語障害としては物の名前がわからなくなる健忘失語、語性錯誤が出てくる。(流暢性や復唱は比較的末期まで保たれて超皮質性感覚失語の像を呈する。)
◯行動や心理症状
認知機能低下に加えて、意欲・感情の障害、妄想、幻覚、徘徊、興奮などの認知症の症状を呈することも多い(いわゆるBPSD)。
・アパシー(無関心)の発症割合は30ー80%程度
・うつ状態は42%
・妄想は36%(この中でももの盗られ妄想が51%と最も多い。幻覚は18%で見られ幻視が幻聴よりも多い)
◯加齢性変化、うつ病、せん妄との鑑別
初期の場合は、正常な老化による物忘れやうつ病、せん妄の鑑別に重要である。
◯画像所見
・CTーMRIで内側側頭葉(特に海馬の萎縮)
(MRIを用いた側頭葉内側の萎縮の検出でアルツハイマーと健常者の鑑別は感度85%、特異度88%)
・SPECT、FDG-PETで両側側頭葉・頭頂葉および帯状回後部の血流や糖代謝の低下
・アミロイドPETにおける前頭葉、後部帯状回、楔前部のアミロイド蓄積
◯診断基準(DSM-5の場合)
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/degl_2017_06.pdf
また追記します。