クワシオルコルとマラスムスの違い
クワシオルコルとマラスムスの違い
+クワシオルコルでお腹が膨れる理由
【クワシオルコル】
・クワシオルコルとは栄養失調の一形態でガーナ語に由来しており「受け入れられなくなった子」という意味。栄養素の中で、特にタンパク質不足で生じる。
好発は1−4歳。乳児期は成長に不可欠なアミノ酸を母乳から得ているが、乳離して離乳食を取る時に、そこにタンパク質が少なければクワシオルコルになりうる。クワシオルコルの最大の特徴は腹部の膨張。その他の症状としては顔面や四肢の浮腫、皮膚炎、肝臓の肥大、毛髪の異常、食欲低下などがある。
・腹部が膨れる理由:タンパク質不足、その中でもアルブミンが低下することによって血管内の浸透圧が低くなり、水分が血管内から血管外に漏れ出て間質にたまり腹水となってしまう。また、脂肪肝によって肝臓が肥大するために起こるとされている。タンパク質が不足することによって脂肪を運搬するアポリポタンパク質がなくなり、肝臓内から余分な脂肪を肝臓外に出せなくなり、肝臓に脂肪が沈着してしまうのである。
↓マラスムスの子の例
【マラスムス】
マラスムスとは糖質、タンパク質、脂肪と全ての栄養素が不足することで生じる血栄養状態。飢餓、長期間に渡る栄養の不摂取、神経性食思不振症などによって発症する。マラスムスに目立つ特徴は体重の減少であり、全身がやせ細り、筋萎縮、皮下脂肪の消失、そして老人様顔貌が見られるようになる。
マラスムスの原因は栄養不良で根本的にエネルギー源が不足しているということもあるが、栄養失調のために膵臓や肝臓での消化酵素や胆汁酸の産生不足が起こることにより栄養失調がよりひどくなる。
↓クワシオルコルの子供の例
by wikipedia