カルバペネム系でメロペネムが好まれる理由
現在日本で使えるカルバペネムは以下のものがある。
イミペネム・シラスタチン(チエナム®)
メロペネム(メロペン®)
パニペネム・ベタミプロン(カルベニン®)
ビアペネム(オメガシン®)
ドリペネム(フィニバックス®)
カルバペネム系は非常に広域の抗菌薬であり緑膿菌やESBL産生腸内細菌などもカバーできるためICU入院患者など予後の悪い患者にとりあえず用いられてしまうことが多い。(が、本来のカルバペネム系抗菌薬の存在意義は強力な抗グラム陰性桿菌活性であり、スペクトルの広さではない)
重症患者においてエビデンスがあるのはメロペネムとイミペネム・シラスタチンの2つだけのようである(もちろん他のカルバペネムもエビデンスがないだけで効くかもしれない)。
そしてイミペネム・シラスタチンは催けいれん性があり(GABA受容体への作用?)、髄膜炎には使えない点や、緑膿菌の耐性化などが問題になっており、メロペネムの方がよりベターのチョイスと考えられている。つまりメロペネム以外のカルバペネム系がメロペネムを上回るメリットが見出されない以上、カルバペネムと言われたらメロペネムを使っていて間違いはないと思われる。