ウェスト症候群の治療でビタミンB6やACTHが用いられる理由
west症候群でvitB6やACTHを用いるのは何故か
【ウェスト症候群とは】
乳児期に様々な脳の障害を背景として発症する難治性てんかんであり、精神運動発達の退行を伴う。シリーズ形成性のてんかん性スパズム、脳波上のヒプスアリスミア、精神運動発達の停止・退行を3主徴とするてんかん症候群であり、好発年齢は生後3~11ヶ月で2歳以上の発症は稀である。*1
治療としてビタミンB6、ACTHが用いられるが、これは何故であろうか。
ビタミンB6について
ビタミンB6はグルタミンからGABAを産生する際の補酵素であり、ビタミンB6を補充することによりGABA産生が促進され、痙攣を抑えることが出来る。逆の意味でビタミンB6が不足すると新生児痙攣の原因となる。(GABAとは抑制性の神経伝達物質)
ACTHについて
痙攣発作が起こる原因として神経ペプチドであるCRHが関与していると考えられている。そこでCRHの合成・分泌を負のフィードバックによって抑制してくれるACTHを投与することで痙攣発作を抑えることが出来る。また、ACTHにはメラノコルチン受容体を介して大脳辺縁系に直接影響を与えて興奮を抑制しているとの研究結果もある。