つねぴーblog@内科専門医

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妊娠糖尿病の新生児が低カルシウム血症となる理由

妊娠糖尿病の新生児が低カルシウム血症となるのは何故か

 

出生後72時間以内に低カルシウム血症をきたすものを早発型の低カルシウム血症というが、妊娠糖尿病から生まれてくる新生児も早発型低Caとなるリスクが高い(頻度としては約25-50%)。

 

前提的な話として…胎盤ではPTHrP(副甲状腺ホルモン関連タンパク)が作られており、臍帯血においてカルシウム濃度が高くなっている。それにより胎児側ではカルシウムが十分にあると感知してしまい、副甲状腺機能を抑制してしまう。出生後は副甲状腺ホルモンが分泌して血中カルシウムを上昇させようとするのであるが、DMの母体から生まれてくる新生児は副甲状腺が未熟であり十分なPTH分泌が出来ない。それ故に新生児は低カルシウム血症となってしまうのである。

・またこれに加えて糖尿病妊娠では巨大児になるのでカルシウムの需要が増加するが、副甲状腺が未熟なためにカルシウムの供給が追いつかないということも低Caを引き起こす一因である。