胎嚢と胎芽の違い
胎嚢と胎芽の違い
精子と卵子は受精して受精卵になると、分割を進めながら子宮腔に移動して胞胚となる。胞胚期の状態で子宮内膜に着床して初めて妊娠が成立する。その後、母体の栄養をもらいながら胚は成長して大きくなっていくわけであるが、妊娠4週ごろになると超音波検査で環状の構造物として描出されるようになる。これを胎嚢と呼ぶ。
一方で胎芽とは人にまだなりきれていない時期の胎児のことである。発生学上、妊娠10週未満の胎児では器官形成が不十分であり、人としての機能を十分に備えていない。そこでその時期の胎児は便宜上、”胎芽”と表現されるのである。妊娠10週を過ぎれば胎児と呼ばれるようになる。