つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

ケトン性低血糖が小児で起こる機序

ケトン性低血糖とは未熟児や低出生体重児が2〜5歳ごろに好発する低血糖発作である。

 

メカニズム:

風邪やストレスなどにより摂食不良になることで炭水化物である糖の補給がなくなり、低血糖、ケトーシスをきたす疾患。食事から糖を摂取しないと、成人であれば肝臓のグリコーゲンが分解されてグルコースになるが、小児の場合はその貯蓄が不十分であるためにあっという間に枯渇してしまう。よって本症は朝食前の朝に起こりやすい。

 

糖の他の供給源として、グリコーゲン以外にタンパク質と脂肪があり、タンパク質の場合は糖新生という経路で糖に変換される(タンパク分解→アミノ酸のアラニン→乳酸→ブドウ糖)。一方、脂肪の場合は脂肪が分解されてアセチルCoAが過剰に産生され、ケトン体が増えることになる。当然、高脂肪食をとった後に発症しやすいことになる。

 

血糖低下に加え、腹痛、嘔吐、悪心、意識混濁などを引き起こす。また、口からアセトン臭がするのも特徴である(アセトンとはケトン体のうちの一つ。他にケトン体としてアセト酢酸、3ヒドロキシ酪酸がある)。治療としては、糖の経口投与、静脈注射を行う。