ZTTとTTT高値の原因
TTTはチモール混濁テストの略であり、ZTTは硫酸亜鉛混濁試験の略である。
ZTTはγグロブリンの総量に比例して反応するが、TTTはグロブリンの中でもとりわけIgGと相関することが知られていて、一般的に肝臓機能の検査で用いられる。
TTTやZTTの検査では原理としてコロイド反応(膠質反応)を利用している。
コロイド(=膠質)というのは液体中において粒子が顕微鏡では見えない程度の大きさになって漂っている状態のことである。血清におけるコロイドとはタンパク質のことであるが、ここに重金属や有機物などが加えることにより沈殿させ、どの程度沈殿しやすいかでコロイドの状態を見ることが出来る。
このコロイド反応は一般的にγグロブリンがあれば促進され、アルブミンがあれば抑制されることが知られている。そのことを利用して、コロイド反応の起こりやすさによってγグロブリンがどの程度あるのかの指標としているのである。
よって肝機能悪化によってこれらの値は変動するわけであるが、決して特異的でないためにそこまで重視される検査とは言えない。しかしながら、肝機能異常に対する治療がどの程度功を奏しているのか、推移のマーカーとして用いることは可能である。
■TTT、ZTT上昇の原因
肝硬変、慢性肝炎、急性肝炎、肝臓がん、多発性骨髄腫など
■TTT、ZTT低下の原因
逆に低下していたらアルブミンが低い状態、例えばネフローゼ症候群、糸球体腎炎などが考えられる。
また、これらは健常人においても脂肪を多く取っているなど食事の内容によっては基準値を超えることもある。健康診断の一ヶ月ぐらい前から食事に気をつけるだけでも値を改善させることは可能である。