人工心肺装置を用いると組織間質に水が貯留しやすくなるという話(メモ
人工心肺装置を用いると組織間質に水が貯留しやすくなるという話
心臓の手術の際は、心臓の代わりをしてくれる人工心肺装置という機械で全身に血液を送り出すことになる。これは体が今までに経験したことのないような「非生理的」な環境であり、循環系にものすごく負担がかかってしまう。
末梢組織での血液循環を少しでも円滑にするために電解質などで血液の希釈を行うが、血液量が大幅に増えてしまうことになりサードスペースと呼ばれる血管内でも細胞内でもない間質に水が移動してしまうのである。術後1〜3日ほどでサードスペースから血管内に水分は移動していくが(リフィリング)、循環動態が安定していないとなかなか水が排出されない。このような場合は利尿薬などで対応する。