とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

サブクリニカルクッシング症候群の診断基準

サブクリニカルクッシング症候群とは何か

 

副腎腫瘍や副腎の過形成などによってコルチゾールが過剰に分泌されて様々な症状をきたすものをクッシング症候群という。クッシング症候群では満月様顔貌やバッファローハンプ、多毛、色素沈着など特徴的な身体的特徴を呈する。サブクリニカルクッシング症候群とは副腎に腺腫があり、自律的にコルチゾールを分泌してしまうが、クッシング症候群のような症状を呈さないものをいう。言わば無症候性のクッシング症候群である。

 

画像診断の進歩により偶発的に副腎腫瘍が発見されることが多くなっている。検査の流れとしては、副腎腫瘍を発見したらスクリーニングとして全例にデキサメタゾン1mgの抑制試験を行う。負荷後の血中コルチゾールが3μg/dl以下に抑制されればコルチゾールの自律性は否定的。一方で負荷後に血中コルチゾールが3μg/dl以上であれば、副腎腺腫から自律的にコルチゾールが分泌されていると疑われる。

 

以下、厚生省特定疾患副腎ホルモン産生異常症研究班による診断基準をざっくりと紹介。

 

【サブクリニカルクッシング症候群の診断基準】

A)副腎腫瘍の存在(CTなどでの偶発発見)

B)クッシング症候群に特徴的な身体症状の欠如

(高血圧、全身性肥満、耐糖能異常はあってもよい)

C)検査所見

1,血中コルチゾールの基礎値が正常範囲内

2,コルチゾール分泌の自立性

3,ACTH分泌の抑制(正常以下)

4,副腎シンチグラフィでの患側の取り込みと健側の抑制

5,日内リズムの消失

6,血中DHEAS値の低値(基準値以下)

7,副腎腫瘍摘出後に一過性の副腎不全症状があった場合

 

上記の内A、Bは必須。

それに加えてCの検査値(1)~(6)のうち1つ以上の所見もしくは(7)があれば陽性とする