気管支炎に抗生剤は使っても肺炎予防効果はない
気管支炎=ウィルスや細菌が気管支の粘膜に侵入し、痰を絡んだ咳が出る。
肺炎=気管支炎より更に先の肺胞で炎症が起きている状態。バイタルサインに異常が出る。
気管支炎と肺炎の鑑別はレントゲンで肺野に浸潤影があるかどうか。
よって、肺炎のような症状がいくらあってもレントゲン(もしくはCT)で浸潤影がなければ気管支炎の診断となる。
肺炎では抗生剤治療が必要であるが、気管支炎であれば風邪と同様に抗生剤は不要である。気管支炎でも今後肺炎に移行する恐れがあるから予防的に抗生剤を使用してもよいのでは…?と思われがちであるが、気管支炎に対して抗生剤投与しても肺炎の予防にならない(プレセボと同等)というエビデンスがある。逆にむしろ副作用と薬剤耐性菌増加のリスクを上げるだけであり気管支炎と診断したら抗生剤は使ってはならない。
https://www.cochrane.org/CD000245/ARI_antibiotic-treatment-people-acute-bronchitis