陥没呼吸のメカニズムとその重症度判定
陥没呼吸とは努力呼吸の様式の1つ。呼吸筋疲労や気道の狭窄などで吸気時の仕事量(エネルギー)が増加してしまっている状態。
陥没呼吸のメカニズムとしては、気管支喘息、COPD、呼吸窮迫症候群(RDS)などの原因で気道の狭窄が起こっていると、息を吸う時に通常以上に努力しないといけない。呼吸筋である横隔膜や肋間筋が頑張って拡張すると、広がった分だけ胸腔内の圧力は低下する。(横隔膜が下がると胸腔内の体積は増加するのでその分、胸腔内圧は低下する。体積×圧力は一定の法則より)
【参考】
胸腔内圧が低下して陰圧になると肋間や鎖骨上窩などがその影響を受けて引っ張られ、その結果として陥凹になる。
なお、陥没呼吸の部位により呼吸困難の重症度を推測することが出来る。
軽症なものから重症なもの順に以下の通り。
・肋骨弓下
・胸骨下
・肋間
・鎖骨上窩
・胸骨上
・胸骨
つまり、胸骨上や胸骨で陥没呼吸が見られたら重度の呼吸不全が示唆される。「陥没呼吸がある」だけでなくどこで陥没呼吸が認められたか言えたほうがポイントは高いと言えよう。。
特に新生児の呼吸障害の時は、陥没呼吸の他に多呼吸、無呼吸、呻吟、シーソー呼吸などを認める。これらの努力呼吸を客観的に評価するスケールとしてsilverman-anderson retraction scoreというものがある。このスコアで点数が多いほど呼吸障害の程度が強いことになる。(興味ある方は→参照http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/picu/respiration/res-a.html))
【陥没呼吸の超わかりやすい動画(1分程度)】
【陥没呼吸の一例by You Tube】
また追記します。