急性アルコール中毒に点滴をする意味
急性アルコール中毒に点滴をする意味
ERに搬送されてくるアル中患者にはとりあえず点滴全開でいくのが基本。
点滴をする目的は脱水の補正や薬剤投与のルートキープのためである。アルコール中毒患者では嘔吐を繰り返して水もとれないため脱水が進行する可能性があり、また嘔吐が続くようであればプリンペランなどの制吐剤を点滴から投与すればそれなりに有効である。
よくある勘違いとして、点滴をすればするほどアルコール中毒患者は早く覚醒してくれるという誤解である。アルコールは肝臓代謝のためいくら点滴をして利尿させたところで代謝スピードは変わらない(代謝スピードは一定であり19.6mg/dl/時間との報告。*1)
また、ボランティアを使った実験ではアルコール飲酒後に生理食塩水を点滴してもしなくても血中アルコール濃度の変化に差はなかったとの面白い報告もある。*2