心房粗動と心房頻拍の違い
心房粗動も心房頻拍も心房内の規則的な興奮による頻拍。
【心房粗動とは】
心房粗動は右房内に形成されたマイクロリエントリーが原因で生じる。右房中隔、右房自由壁、下大静脈ー三尖弁輪間右房頰部を含む経路であり、この回路を電気興奮がぐるぐると回ってしまうことによって頻拍が持続する。正常洞調律の場合の心房興奮を表すP波がなくなる代わりに鋸歯状のゆらゆらとした粗動波(F波)として認められる。
【心房頻拍とは】
心房内に起源を有する頻拍がある。頻拍の起源により心房内リエントリー性頻拍、異所性心房頻拍、心房瘢痕部頻拍に分類される。いずれにせよ、洞房結節とは異なる位置から興奮が始まるため、洞調律とは異なる形のP波を認める。PQ時間も変化し、また房室ブロックによりQRS波が脱落することもある。
画像参照:http://www.eonet.ne.jp/~hidarite/pm/ecg06.html
◯心房粗動と心房頻拍の違い
・等電位線がなく鋸歯状波を形成し、興奮が240回/分以上(240〜350回程度)のものを心房粗動
・等電位線があり興奮頻度が240回/分以下のものを心房頻拍という。
*等電位線とは心電図における真っ直ぐの線、基線のこと。