両手結び、片手結び、器械結びの違い(+動画紹介)
糸結びは外科処置において必須の手技である。糸結びは皮膚や筋膜など損傷などにより離れた組織を縫い合わせるために行うが、強く結びすぎると組織の血流が悪くなり生着が悪くなり、逆に弱く縫合してしまうと縫合不全の原因になる(特に消化管縫合における縫合不全は重篤な感染症の原因となりうる)。
両手結びとは…
最も基本的な結紮方法で、名前の通り両手で糸を縫合する。左右両方の糸の緊張を保って縫合することが出来るので結紮点の横ずれも少ない。が、両手で行うためそれだけの空間が必要であり、また時間もかかる。急いで縫合しないといけない場合に用いる方法ではない。
(両手結びの動画紹介)
長野松代総合病院HPより
片手結びとは…
一方の糸をもつ指はそのままで、反対の指だけでツーぷに糸をくぐらせて結紮する方法。両手結びよりも素早く結紮することが出来、また動かす空間も少なくて済む。結紮箇所が変わった時に同じ手で結べるとは限らないので、右手でも左手でも同じように片手結びができる必要がある。また、糸の緊張を保ちながらの結紮は出来ない。
(片手結びの動画紹介)
長野松代総合病院HPより
器械結びとは…
指の代わりに持針器や鉗子などを用いて片手結びを行う方法。一本の針付き糸で何回も結紮をする場合などに有用。またかなり狭い場所での縫合でも持針器ならばつかむことができ、動作も小さくて済む。欠点としては糸を持針器で傷つけてしまいやすいということ、また結紮の際に糸の感触が伝わりにくいので重要な部位においては推奨されない。
(器械結びの動画紹介)
横浜市立大学より