つねぴーblog@内科専門医

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内視鏡検査で抗コリン薬やグルカゴンを用いる理由

内視鏡検査で抗コリン薬やグルカゴンを付加する理由

 

内視鏡検査は前日の夕食以降は絶飲食をしなければならない。内視鏡で腸の中を観察したいのに食べ物のかすがあったりしたら見にくい為である。また、検査の際に抗コリン薬も用いる。抗コリン薬とはアセチルコリンの働きを抑制する薬であり、副交感神経系をブロックすることで腸管の働きを抑えることができる。腸管が動かないほうが当然内部を観察しやすい。

 

抗コリン薬禁忌の患者としては緑内障と前立腺肥大症がある
緑内障では抗コリンで散瞳して眼圧が上昇してしまうからであり、前立腺肥大症では膀胱が収縮できなくなる故である。
このような患者には抗コリン薬の代わりにグルカゴンを用いる。グルカゴンというのは血糖値を上昇させるホルモンなのであるが、血糖値が高くなれば腸管はそれ以上糖分の取り込みをする必要がなくなり、運動が抑制されるからである。