発作性夜間ヘモグロビン尿症で早朝のコーラ尿が見られるのはなぜか
発作性夜間ヘモグロビン尿症で早朝のコーラ尿が見られる機序
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)とは後天的に出現した異常造血幹細胞によるクローン性疾患である。PNH血球では特定の蛋白質を血球細胞膜につなぎ止めるGPIアンカーに異常が起こり、血球の補体感受性が亢進していて血管内溶血をおこす。赤血球内のヘモグロビンが尿に混ざるのでコーラ色の尿(褐色尿)を呈するのである。
ではなぜ早朝なのか。
睡眠中は低換気になるので血中の二酸化炭素濃度が上昇して呼吸性アシドーシスになる。補体は酸性化において活性化しやすいという性質があるので寝ていて体内が酸性に傾いている時に溶血を起こしてしまうのである。故に朝の尿が褐色になる。