つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

QT延長症候群の治療でβ遮断薬が用いられる理由

QT延長症候群の治療でβ遮断薬が用いられる理由

 

QT延長症候群とは心筋の活動電位の延長によって心電図のQT感覚が延長する症候群である。発作を起こすとtorsade de pointes(TdP)という多形性心室頻拍をきたすのが特徴的であり突然死を起こす危険性がある。

薬剤性によって引き起こされるQT延長症候群であれば原因薬剤の中止が治療となるが、先天性QT延長症候群の治療ではβ遮断薬が重要である。QT延長症候群の発作の誘因は運動、怒り、アラーム音などが知られていて交感神経が興奮すると心室頻拍、心室細動をきたすと考えられている。故に交感神経の興奮を抑制する目的でβ遮断薬が用いられる。β遮断薬は心筋細胞のβ1受容体を抑制し、心筋収縮力の低下と刺激伝導系の興奮系を抑制させる働きがある。