喘息発作における全身性ステロイド治療の方法メモ
Q、ステロイドは内服より点滴のほうが良いのか?
→喘息発作に対する全身ステロイドは点滴でも内服でも効果は変わらない。重症発作以上では内服が難しいこともあるので点滴のほうが無難だが、中等度であれば内服でも構わない。
・喘息発作に対する全身性ステロイドの量は1日あたりプレドニゾロン50mg、ヒドロコルチゾン200mg(分割投与)で良いとされている。
Q、ソル・メドロール点滴をするとしたら何mg投与したら良いのか?
メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール)の投与量に関しては明確なものはないが、臨床試験的には一日量80mgあれば臨床的に十分な効果が得られることがわかっている。逆に一日量500mg以上の大量投与は不要であるとされている。
・メチルプレドニゾロンはDI上は40〜125mgを点滴投与すると記載されているが、実際には救急外来受診時には40〜125mgを初回点滴して、入院する場合は6時間ごとに40〜80mgを点滴することが多い。
・メチルプレドニゾロンは半減期を考えると1日3〜4回投与が望ましい。(一日1回125mgを連日投与するよりかは6時間毎に40mgを一日4回投与するほうが薬理学的には理にかなっている)。
Q、プレドニン内服だとしたら何mg使うべきか?
→プレドニンの内服だと50〜100mg/dayを超える量を投与しても臨床的な改善効果はないとされている。ステロイドの力価換算ではプレドニンとメチルプレドニゾロン(ソル・メドロール)は4:5程度であるのでプレドニン50mg内服はソル・メドロール40mg点滴に該当する。ソル・メドロール125mg点滴している場合はプレドニン100mg内服することになってしまうが、実際にはプレドニンは0.5mg/kg/dayで処方されることが多く、実際にそれで効果があることも多い。
Q、全身ステロイドはいつ投与開始を考慮するべきか?
→喘息発作の治療の順番としてはメプチンなどの吸入薬を何回か繰り返してからステロイド使用ということが多いが、来院後1時間以内に開始することで入院リスクを減らすことができるためメプチンが効かなそうであれば早期にステロイド点滴を開始する。
Q,ステロイド点滴・内服は入院後いつまで続けるべきなのか?
→GINAガイドラインでは5−7日間が推奨されている。10〜14日間投与と同等の効果がありとされている。
おまけ:ステロイドの力価の換算表
参照
・GINAガイドライン
・気管支喘息バイブル