アリセプト(ドネペジル)の作用機序
アリセプトとはアルツハイマー型認知症の治療薬。
アルツハイマー病の患者の大脳皮質や海馬と神経的に繋がるアセチルコリン神経の起始核である前脳基底核の神経細胞が変性脱落している。これらの領域においてアセチルコリン合成酵素が減少していて、それが認知症の重症度と相関していることが示された(=コリン仮説)。故に、認知症の治療として脳内のアセチルコリンを補おうという観点から薬剤開発がされてきた。
考えとしては3つの薬がある。
1.アセチルコリン補充療法
2.アセチルコリン放出促進薬
3.アセチルコリン分解酵素阻害薬(コリンエステラーゼ)
である。ドネペジルというのはこのうちのアセチルコリン分解酵素阻害薬に当たる。
ドネペジルは中枢神経に特異的に働き、シナプス間のアセチルコリン濃度を増加させることにより、効果を発揮する。
CKD-MBDとは
CKD-MBDとは慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常のことである。
つまり、慢性腎不全によって腎臓機能が低下するとホルモン産生能力も落ちるため様々な代謝異常が生じてしまう。
代表的なものを3つ
1.線維性骨炎:骨吸収が促進することにより骨強度が低下してぼろぼろになる
メカニズム:CKD→VitD3合成低下→小腸でのCa吸収低下→低Ca血漿→PTH産生亢進→骨吸収促進
2.骨軟化症:形成途中の骨組織である類骨の石灰化障害で骨表面が未石灰化の類骨に被われる。
メカニズム:CKD→腎臓でのVitD3合成低下→小腸でのCa吸収低下→石灰化障害
3.異所性石灰化:血管など骨以外の場所での石灰化亢進
メカニズム:CKD→VitD3産生低下→小腸でのCa吸収低下→PTH亢進→血中Ca上昇→異所性石灰化