つねぴーblog@内科専攻医

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神経伝導速度検査memo

神経伝導速度検査についてメモ

 

◯運動神経伝導速度(MCV)検査

・何のために行われるか:末梢神経機能の検査で、ニューロパチーの有無やその病態、治療効果の判定するために用いられる。固有の疾患を診断するためではなく、病態を把握するため。

【求めるべき結果】

運動神経伝導速度(MCV)、遠位潜時:運動神経繊維の遠位部と近位部を刺激してCMAPを導出してその2点の刺激部位間の距離を遠位潜時(DL:distal latency)と近位潜時(PL:proximal latency)の差で割って算出する。下の図でT1がPL、T2がDL。

MCVや遠位潜時の延長は脱髄の存在を疑うべき所見である。MCVが正常下限の75%未満に低下しているか、もしくはDL(遠位潜時)が130%を超えている場合は脱髄を疑う。

振幅:軸索変性があると、どこで刺激をしてもCMAP振幅は低下する。

持続時間:運動神経伝導速の検査対象になる末梢神経には太い神経線維(早い)や細い神経線維(遅い)など様々な太さのものが混ざり合っているが、このばらつきが大きくなってCMAPの持続時間が延長する現象を時間的分散と呼ぶ。脱髄によって伝導速度の低下した神経線維が混在するとCMAPの持続時間が延長するし、高度なものでは伝導ブロックが起こってCMAPの振幅が低下する。

伝導ブロック:高度の脱髄や軸索変性などがあると活動電位が誘発されない状態を伝導ブロックという。どこでブロックが生じているのか確認する。伝導ブロックは筋力低下の原因となるが、逆に伝導速度の低下は筋力低下の原因とはならない。

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臨床的な筋力低下や知覚障害は、運動神経伝導速度や感覚伝導速度の低下とではなく、軸索変性や伝導ブロックと関連している。軸索変性に陥った神経を刺激しても運動単位の電位は得られず、すなわち末梢神経病変における筋力低下はCMAP振幅の低下と密接に相関する。持続時間に差はないが、障害部位を挟んでCMAPの振幅低下が見られた場合は、伝導ブロックによる筋力低下を疑う。一方、近位部刺激でのCMAPの持続時間が延長(時間的分散)している場合には、伝導遅延が考えられる。CMAPの振幅が保たれていれば、伝導遅延が存在しても筋力低下をきたすことはなく、この病態は絞扼性神経障害によく見られる。

 

・どこの神経で検査するか→尺骨神経、正中神経、総腓骨神経、後脛骨神経(脛骨神経)などが一般的。

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↓図においてbが総腓骨神経、cが脛骨神経の伝導速度測定に用いる部位。

 

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(神経内科ハンドブックより一部引用)

 

・記録電極として、関電極を筋腹に置き、基準電極をそれより遠位側の腱近傍に装着する。

・MCVにはM波とF波がある。M波は刺激によって順行性に伝導する活動電位、F波は刺激によって逆行性に伝導し、脊髄前角細胞を経て再び運動神経を順行性に伝導する活動電位のこと。

・通常MCVを測定する時はM波を用いることが多いが、F波を用いることにより脊髄の前根や前角細胞についての情報を得ることができる(神経根障害をきたすものとしてギランバレー症候群などがある)。

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(4)さまざまな表面筋電図法 | 酒井医療株式会社

 

・MCVのM波で軸索障害か、髄鞘障害かを鑑別する。

→軸索障害では神経繊維が減少することにより、M波の活動電位の減衰が見られる。一方、髄鞘の障害では活動電位の跳躍伝導が妨げられることにより神経伝導に時間がかかる。つまりM波の伝導遅延が起こる。

・反復刺激法:MCVを反復刺激で発生するM波を測定することにより神経筋接合部の機能を評価できる。低頻度反復刺激で振幅が減衰すれば重症筋無力症、高頻度反復刺激で振幅の漸増があればLambert-Eaton症候群。

 

 

◯感覚神経伝導速度検査

感覚神経電d脳検査では、感覚神経線維を刺激して、同じ神経線維上にて感覚神経活動電位(SNAP)を導出する。SNAPは立ち上がり潜時、陰性頂点潜時、振幅、持続時間を計測し、感覚神経伝導速度(SCV)を測定する。

多くの神経は混合神経であるために感覚神経伝導速度検査では上肢では運動神経線維を含まない指神経、下肢では純粋な知覚神経である腓腹神経を用いて検査される。主に、正中神経、尺骨神経、腓腹神経などで検査を行う。正中神経の測定ではリング状の記録電極を第二指に、尺骨神経では第5指に装着して同時に逆行性にSNAP(sensory nerve action potential:感覚神経活動電位)測定することが可能である。

 

 ◯伝導速度結果の所見をどう解釈すれば良いのか(wikipediaより参照)

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◯脱髄性疾患の鑑別

(末梢性)

ギランバレー症候群、CIDP、フィッシャー症候群、charcot-marie-tooth病(脱髄型)

(中枢性)

炎症性:多発性硬化症、視神経脊髄炎、急性散在性脳脊髄炎

ウィルス性:亜急性硬化性全脳炎

中毒・その他:CO中毒、低酸素脳症、橋中心髄鞘崩壊症候群、ビタミンB12欠乏

 

◯軸索障害の鑑別

中毒性ニューロパチー、代謝性ニューロパチー(糖尿病、ビタミンB1欠乏、アルコール性)、ギランバレー(軸索型)、charcot-marie-tooth病(軸索型)

 

また追記します。。

 

参考文献

https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20180408080005.pdf?id=ART0008463293

 神経伝導検査ポケットマニュアル