バタフライシャドウの見方と意義
バタフライシャドウの見方と意義
参考:リアルバタフライ
◯左心不全で肺うっ血が起こる→バタフライシャドウ(butterfly shadow)
左心不全により左室の拍出量が低下すると左房圧力が上昇→肺静脈圧上昇→肺うっ血がおこる。肺うっ血とは肺の毛細血管圧が上昇して肺の血管外に水が漏れて肺胞と間質が水で溺れてしまう病態である。症状としては呼吸苦や頻呼吸、咳、ピンク色の泡沫状の痰などが出現する。
◯バタフライシャドウが起こる条件
肺うっ血が進んだ時にレントゲンで映る所見の1つがバタフライシャドウである。
PAWP(肺動脈楔入圧)が25mmHg以上の時に認められる肺門部を中心とした蝶形のすりガラス状陰影である。
ちなみに、左心不全による肺うっ血ではその程度により出現する胸部レントゲン所見が異なる。肺静脈圧が12mmHg以上ではアントラパターン(鹿の角)のようにみえる=上肺野の血管が大きくなっている状態。肺静脈圧が18mmHg以上では間質性浮腫が起こっている状態でカーリーBラインが見られる。
【バタフライシャドウの一例】
【バタフライシャドウの一例その2】
http://www.stritch.luc.edu/lumen/MedEd/Radio/curriculum/Medicine/chf1.htm