つねぴーblog

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

健常者でも肺底部に出現するすりガラス影(重力効果)

胸部CTを仰臥位で撮影すると健常者であっても肺底部背側にすりガラス影がみられることがある。仰臥位においては一番低い肺底部背側の静脈圧・リンパ管圧が高まり、肺末梢間質の容積が増えてしまうことにより、肺実質が圧排されてしまうからである(つまり無気肺の状態)。

 

【↓左:仰臥位における重力効果、右図腹臥位で消失】

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参考:Technical aspect of hrct; normal lung anatomy & hrct findings of lung…

 

肺底部背側のすりガラス影の鑑別として特発性間質肺炎や膠原病に伴う間質性肺炎も挙がるので、これらを除外するためには腹臥位でのCT撮影を行う。うつぶせになると、仰臥位の時に潰れていた肺実質が再度膨らむのですりガラス影は消失する。なお、重量効果は呼吸状態に影響されることが多いのでしっかりと吸気してから撮影するのが大事。

 

救急外来で高齢者の不明熱では特に熱源がはっきりしない場合、胸部CTで重力効果によるすりガラス影をみつけて、「はっきりとはしませんが肺底部に肺炎像(すりガラス影)があります!」なんて強引に押し通してたら他の熱源を見落としかねないので禁忌である。