一次性脳損傷と二次性脳損傷の違い
一次性脳損傷と二次性脳損傷の違い
◯一次性脳損傷とは
外力によって脳実質が直接損傷すること。物理的にダメージを受けてしまうために不可逆的な障害を引き起こす。通常治らない。
◯二次性脳損傷とは
頭部外傷によって直接的なダメージは受けなくとも、その後の身体の反応により脳組織に損傷が及ぶことを言う。その二次性脳損傷は原因によって頭蓋内因子と頭蓋外因子にわけられる。
頭蓋内因子としては外傷後に脳組織に浮腫が起こり、脳実質を圧迫することによって起こる脳ヘルニアなどがある。その他にも外傷によってできた血腫による脳ヘルニア、穿孔による頭蓋内の感染などがある。
頭蓋外因子としては低酸素血症、低血圧、低血糖、貧血などバイタルや代謝など全身的な問題により脳にもダメージが波及する場合がある。
救急においては基本的に二次性脳損傷への対応が求められることになる。
【頭蓋外因子による二次性脳損傷への対応】
1,確実な気道確保
2,十分な酸素化と適切な換気
3,循環の安定化
【頭蓋内因子による二次性脳損傷への対応】
1,脳外科にコンサル(いなければ転送の準備)
2,頭部CTの施行(secondary surveyの一環)
参考文献
・primary-care trauma life support元気になる外傷ケア
・外傷初期診療ガイドライン