つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

心房細動におけるリズムコントロール

病棟、あるいは救急外来で心房細動を見たら

 

◯リズムコントロールとレートコントロールどちらを行うか

心房細動の治療はリズムを洞調律に戻すリズムコントロールと、心拍数を正常化させるレートコントロールとがある。直感的にはまずはリズムを戻さないといけないようにも思えるが、これまでの大規模臨床試験やメタ解析でリズムコントロールとレートコントロールいずれでも予後やQOLに差が無いことがわかっている。

非常に有名なAFFIRM試験では心房細動患者の一群をアミオダロンなどでリズムコントロールし、もう一群をβブロッカー、カルシウム拮抗薬、ジギタリスなどでレートコントロールし、5年後の予後を比較すると死亡率は両者で統計学的な有意差はなしの結果に。また当然QOLに関してもサブ解析が行われたが、レートコントロールでもリズムコントロールでも患者の自覚症状の有意差はなし。

 

◯心房細動の目標心拍数はどの程度か

ランダム化比較試験(RACEⅡ)ではあまり厳しめにレートコントロールするよりも緩いレートコントロールの方が心不全や脳卒中などの合併症などのイベント発生率が低いとの報告が。

ターゲットの心拍数は安静時は80-110bpm程度、これで症状が改善しない場合にのみ80bpm以下の厳密なコントロールをする。

 

◯心房細動のリズムコントロールを何で行うか

心房細動は心房での異常な収縮を心室に伝わらないようにすれば良いので房室伝導をブロックするような薬の投与が考えられる。非ジヒドロピリジン系のカルシウムブロッカー、βブロッカー、ジギタリスなど。

 

・非ジヒドロピリジン系Caブロッカー:心不全のない心房細動患者に使う

・βブロッカー:心不全を合併している心房細動患者に使う

・ジギタリス:以前は心不全合併した心房細動に使っていたが、生命予後を悪化させる報告が相次いでおり現在は使われない。また、ジギタリスでは運動時のレートコントロールが不十分。

 

 

また追記します。