つねぴーblog

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乳酸リンゲル液と酢酸リンゲル液の違い

乳酸リンゲル液と酢酸リンゲル液の違い

【商品名】

乳酸リンゲル液→ソルラクト®、ラクテック®など

酢酸リンゲル液→ソルアセトF®、ヴィーンF®など

 

輸液製剤は浸透圧で分類すると等張電解質輸液低張電解質輸液とに分けられる(下図参照)。等張電解質輸液として生理食塩水、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液などがある。

 

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画像引用:水・電解質輸液 | 輸液と栄養 | 大塚製薬工場

 

 

 

◯乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液は生理食塩水よりも血清組成に近い

生理食塩水:血漿と等張でNa+とCl-のみを含む製剤。

リンゲル液:生理食塩水をより血清組成に近づけるためCa2+とK+を配合したもの。生理食塩水やリンゲル液は大量投与すると希釈性アシドーシスを引き起こしてしまうため、アルカリである乳酸を加えたものが乳酸リンゲル液。同様にアルカリである酢酸を加えたものが酢酸リンゲル液。(*乳酸は体内で分解されてHCO3-になるためアルカリ化の働きがある)

 

◯乳酸リンゲル液と酢酸リンゲル液の違い

乳酸リンゲル液には名前の通り乳酸が含まれているため、体内で乳酸が蓄積しているような状況下では使いづらい。例えば、肝機能が低下している場合は乳酸を肝臓で代謝できずに乳酸アシドーシスを生じるリスクが有る。教科書的には乳酸リンゲルを5L以上大量投与すると血清乳酸値が上昇すると言われている。

また、末梢循環不全による乳酸アシドーシス時に乳酸リンゲル液を投与すると乳酸蓄積を助長するという意見もあるが、体内では乳酸の代謝能力は3400mmol/day(乳酸リンゲル121L相当)であり、日常臨床における投与においては乳酸の蓄積は来さないと言われている。

一方で酢酸リンゲル液の場合、酢酸は筋肉でも代謝されるため肝機能が低下している場合でも問題なく使えるし、末梢循環不全で乳酸が溜まっているときでも(データ上は問題ないと言われてても)あえて乳酸リンゲルを投与するよりかは酢酸リンゲル液の方が無駄な心配なく使えるため、心理的に使いやすい。

 

結論:

通常の使用の範囲内ではどちらを選択しても変わらない。

肝不全やショックなど乳酸が溜まりやすい状況では酢酸リンゲルを使ったほうが無難。

が、コスト的には乳酸リンゲル液の方が安いのでこちらを第一選択にしている施設も有る。