つねぴーblog

元とある研修医の雑記帳。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

失神の鑑別診断

失神(一過性意識消失)の鑑別診断

 

大きく分けて以下の通り

◯心血管性

◯脳血管疾患

◯起立性低血圧

◯薬剤性

◯迷走神経反射

 

◯心血管性

心血管性の失神はHEARTSと覚える

H:heart attack:急性心筋梗塞

E:embolism(pulmonary embolism):肺塞栓

A:Aortic dissection/Aortic stenosis:大動脈解離/大動脈弁狭窄症

R:rhythm disturbance:不整脈

T:tachycardia:心室頻拍

S:subarachnoid hemorrhage :クモ膜下出血

・心血管性のリスク因子

→65歳以上、心疾患の危険因子・既往歴、突然死の家族歴、前駆症状なし、仰臥位で発症、運動時の発症、胸痛・動機・息切れを伴う失神、心電図異常

 

◯脳血管疾患

神経学的異常があれば一過性脳虚血発作(TIA)の可能性があるが、神経学的症状がないのにTIAということは稀。

除外するには頭部CT、頸動脈エコー、脳波が必要だが神経学的所見がまず第一。

 

◯起立性低血圧

体位変換直後の発症。臥位から起立すると血液が下半身に移行し心拍出量が減少し、血圧が低下する。健常人なら圧受容体反射系の賦活化により対応できるが、反射系の異常や循環血液量が減少している場合は対応できずに血圧低下により失神をきたす。

・出血(上部消化管出血、腹腔内出血、異所性妊娠など)

・自律神経障害(パーキンソン病やレビー小体型認知症、あるいは糖尿病や腎不全など二次性のもの)

・βブロッカーなど薬剤性のもの

 

◯薬剤性

血管拡張作用、電解質異常、QT延長などを介して多種の薬が失神を起こす

・血管拡張薬

降圧薬、α1ブロッカー、抗精神病薬、三環系抗うつ薬、MAO阻害薬、アルコール

・利尿薬・漢方

低カリウム血症による不整脈で失神起こしうる

・QT延長症候群を起こす薬剤

抗不整脈薬:1a群:キニジン、プロカインアミド Ⅲ群:アミオダロン

抗精神病薬:ハロペリドール、フェノチアジン

抗菌薬:マクロライド系、キノロン刑、ペンタミジン、クロロキン

制吐薬:ドロペリドール、オンダンセトロン

  

◯迷走神経反射(神経調節性失神)

失神の原因として最も多い。失神の際の頭部外傷などには注意が必要だが、失神としての予後は良好。

迷走神経反射の原因として

→疼痛、静止直立姿勢、貧血、血管内脱水、高温環境、血を目にすること、アルコール摂取など

失神前の予兆として動機、悪心、顔面蒼白、発汗などの前駆症状を認める。

起立後5分以内であれば起立性低血圧の可能性があるが、5分以上の起立後であれば迷走神経反射の方が疑わしい。

 

また追記編集します。