つねぴーblog@内科専攻医

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失神、意識消失、意識障害の違い

似ている言葉の整理:意識消失、意識障害、失神の違い

 

◯意識消失と意識障害の違い

意識障害とは何らかの原因で意識レベルが低下している状態。呼びかけても応じない、開眼は出来るがぼーっとしている、時間場所がわからない(見当識障害)など。

(評価方法としてはJCS、GCSなどを使用)

一方、意識消失は短時間の間だけ意識を失ってしまうこと(長くても数分間)。意識障害と異なり、診察時は完全に意識が正常化している必要がある。よって患者が意識を失った時点ではそれが意識障害なのか意識消失なのか判断することはできない。経過を見ていて意識が戻ればその段階で意識消失と評価できるし、意識が戻らなければ意識障害として対応することになる。

 

例えば「意識障害の患者が来てます!今は意識はクリアです!」という発言はやや矛盾しており正しくは意識消失。が、実際に診察してみて意識が少しでも傾眠傾向であったり様子がおかしければ意識障害ということになる(高齢者であればいつもの様子を知っている家族などへの問診が大事)。

 

◯意識障害の原因はAIUEO TIPSで覚える

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◯意識消失と失神の違いは

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失神は意識消失の一種であるが、何らかの原因で一過性に脳に血液が行かなくなることにより意識消失が起こる病態を指す。ガイドラインでは「一過性の意識消失発作の結果,姿勢が保持できなくなり,かつ自然に完全に意識の回復がみられること」と定義されている。

脳に血液が行かなくなってしまう失神の原因としては次のようなものがある。

【失神の原因】

・起立性低血圧(自律神経障害をきたす疾患、脱水・出血など)

・神経調節性失神(血管迷走神経反射、食後や排便排尿後、採血時などの状況失神)

・心原性失神(不整脈、心筋梗塞、大動脈弁狭窄症、大動脈解離、肺塞栓などなど)

・脳血管疾患(盗血症候群、過換気)

 

失神には該当しない意識消失は「脳血流は保たれているが意識を失ってしまう病態」であり、てんかんや中毒、低血糖、低酸素血症などが該当する。よってこれらの病態を否定しない状態で意識消失患者を失神というのは厳密に言えば誤り。

 

◯意識消失の原因と頻度by NEJM2002 sep 19;347(12):878-85)

神経介在性失神(21.2%)

心原性失神(9.5%)

起立性低血圧(9.4%)

薬剤性失神(6.8%)

てんかん(4.9%)

その他・不明(44.1%)

意識消失の患者で最も頻度が多いものは迷走神経反射などの神経介在性失神であるが、致死的である心原性失神を見逃さないことが重要。

 

また追記します。