つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

単神経炎、多発単神経炎、多発神経炎の違い

単神経炎、多発単神経炎、多発神経炎の違い

 

・単神経障害(単ニューロパチー)

単神経障害は末梢神経の一本が障害され、支配領域のみの障害が現れる。

主な原因としては圧迫であり、手根管症候群や撓骨神経麻痺、正中神経麻痺などが代表的。他にもBell麻痺やRamsay Hunt症候群も単神経障害に含まれる。

 

・多発単神経障害(多発性単ニューロパチー)

単神経障害が多発しているもの。血行障害などにより全身のあちこちの神経が障害される。原因として多いのは血管炎(PNSLEなど)。またサルコイドーシスのように全身で肉芽腫をつくる疾患でも神経があちこちで圧迫されて多発単神経炎を生じる。偶然が重ならないかぎりは左右非対称に症状が出る

 

・多発神経障害(多発ニューロパチー)

多発単神経炎とは異なり、全身の神経が左右対称に均一に障害される病態。多発単神経炎は一本の神経障害が多発しているだけであったが、多発神経炎ではすべてが同時にというイメージで全く異なる病態。原因としては代謝性、免疫性、中毒、遺伝性など様々なものがある。また、全身の神経が侵されるが障害は神経興奮の届きにくい四肢末端などに多く現れる。糖尿病ではglove and stocking型(手袋靴下型)の感覚障害を呈することは有名。

 

おまけ:糖尿病の神経障害について

糖尿病性ニューロパチーは単ニューロパチー、多発性単ニューロパチー、多発ニューロパチーを同時に呈することがある。

単ニューロパチーとして例えば、脳神経障害により眼球運動障害が生じたり、正中・尺骨神経麻痺による手根管症候群、肘部管症候群を呈することがある。

多発ニューロパチーとしては起立性低血圧や下痢便秘などの自律神経障害、また四肢末端の感覚障害などを呈する。