つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

右軸偏位と左軸偏位の違い

右軸偏位と左軸偏位の違い


まず電気軸の概念から。心臓の興奮は洞房結節から始まり心房、心室という順に伝わる。左心室の興奮の大きさは右心室よりも大きいので全体の電気の流れとしては右心房から左心室の方向へと流れるといえる。

この電気の方向がちゃんと正しい方向にあるかどうか調べるために電気軸、右軸偏位、左軸偏位という概念が用いられる。心電図には様々な誘導があるが、電気軸の計算をするときは横向きⅠ誘導と、下向きのaVF誘導の2つを利用する。どうしてこの二つの誘導なのかというと角度がちょうど90度で直角なので考えやすいからである。

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このベクトルは心室の興奮の大きさで考えるので心電図のQRSで考える。QRSにおいて上向きの頂点と下向きの頂点の差を計算する。たとえば上に20mm、下に5mm出ていればその電気的変化は20-5=15と計算される。

Ⅰ誘導、aVf誘導ともに電気的変化を上述のように計算し、グラフにプロットする。そのときの角度が0度から〜90度に収まっていれば正常である。90度よりも大きく(つまり更に計回りに)あれば右軸偏位、0度よりも小さく(反時計回りに)あったら左軸偏位となる。

*I誘導とaVf誘導でなくて、Ⅰ誘導とⅡ誘導などでも同様にプロットすれば電気軸は求められる。ただ、Ⅰ誘導とaVf誘導のように90度にはならない。

毎回グラフにかくのは手間がかかるが、I誘導の値がマイナスならば確実に右軸偏位であるし、Ⅰ誘導が+でaVfが−ならば左軸偏位である。このように考えるとあまり時間をとらずに電気軸に関して評価することが出来る。

右軸偏位の原因としては右室肥大、肺性心、左脚後枝ブロックなどがあり、左軸偏位の原因としては左室肥大、左脚前枝ブロック、下壁梗塞などがある。