上室期外収縮と心室期外収縮の違い
上室期外収縮と心室期外収縮の違い
イラスト参照”https://nurseful.jp/career/nursefulshikkanbetsu/cardiology/section_1_03_01/
期外収縮とは文字通り、期待から外れた収縮のこと。心臓の興奮は本来心房の洞房結節から始まるが、期外収縮ではそれ以外の場所がでしゃばって興奮を始めてしまう。刺激の発生部位によって上室(心房)期外収縮と心室期外収縮に分けられる。
上室期外収縮とは
予想される周期よりもはやく心房もしくは房室接合部の異所性の興奮が起きることである。
心電図的には普通の心房の興奮によるP波とは別に早いタイミングでP’波が出現する。この興奮は刺激伝導系を伝わり心室を興奮させ、心電図ではQRS波となる。尚、P’波は洞調律のP波とは異なる形となり異所性P波とも呼ばれる。異所性P波は洞結節の近くで発生すれば本来のP波と似た形になるが房室接合部付近から始まるとP波がQRS波に隠れてしまったりQRS波の後にP波が出現したりと変わった形になる。
普通のP-QRSと上室期外収縮でのP’ーQRSでどう違うか。
1,予定よりも早くP’波、そしてそれに続くQRSが出現するためRR間隔は短くなる。
2、洞結節は上室期外収縮による興奮で一度リセットされて、次の興奮(つまりP波の出現)は少し遅くなる。(通常正常なPP周期の2倍以内のタイミングで心房の興奮は再開する)
【上室期外収縮の心電図】
画像参照:http://www.cardiac.jp/view.php?target=pac.xml
心室期外収縮とは
心室から異所性に刺激が始まり心室筋を興奮させて収縮させる。
心電図上の特徴としては…
・心房からの興奮ではないのでP波は出現しない。
・刺激伝導系を通らずに遅い下道的な固有心筋を伝わるので心室筋の収縮に時間がかかる。=QRSが広い(3mm以上)
また、洞結節には影響を及ぼさないこともあり、その場合は心室期外収縮が生じても洞調律のP波は平常運転を続ける。つまり、本来のP-QRSとP-QRSの間に気まぐれに挟まるように心室期外収縮のQRS波が入り込む形となる。
【心室期外収縮の心電図】
画像参照:期外収縮 - Wikipedia
まとめ
心房性(上室性)期外収縮→P波なない、QRSは狭い
心室性期外収縮→P波はある、QRSが幅広く