romberg試験の方法とその意義
ロンベルグ試験の方法とその意義
ロンベルグ試験は平衡機能(深部感覚)の検査である。
深部感覚神経は脊髄の後索を通っているので、その部分が障害をうけると身体の異常として発生する。Romberg試験は両足をそろえてたってもらい、バランスをとれるかどうかを調べる。そのあと、被験者に目を閉じてもらい、バランスを維持できるかどうかを調べる。なお、医療者は患者が転倒して怪我をしないように近くで備えておく。
目を開けているときにはバランスがうまくとれているのに、目を閉じるとバランスを崩して動揺してしまうことをロンベルグ徴候陽性という。
ロンベルグ検査の方法であるが次のように2ステップで行われる。
1,開眼した状態で立てるかどうか調べる。
→倒れなければ小脳には問題なし、倒れてしまえば小脳障害有り
2,続いて閉眼して立ち続けられるかどうか調べる。
→倒れなければ小脳障害も深部感覚も異常なし。閉眼することによって明らかにバランスが悪くなっていれば感覚性運動失調あり(倒れる方向はランダム)。この検査は視覚からの補助をなくす時に立っていられなくなるかどうかを見ているのである。
★ロンベルグ試験陽性であれば末梢神経障害や脊髄後索障害などによる深部位置感覚の障害が考えられる。具体的には糖尿病性末梢神経障害や亜急性脊髄連合変性症などのスクリーニングとして用いられる。
★なお、平衡感覚を司る前庭や三半規管の障害でも視覚からの補正がなくなるのでロンベルグ試験は軽度陽性となる。
ロンベルグ試験と小脳失調の関係
http://www.rehabilimemo.com/entry/2015/08/13/161458
★おまけ
ロンベルグ試験と似たものにマン試験というものがある。マン試験は両足を前後一直線にして立ってもらい、バランスを取れるかどうか見る試験である。Mann試験というのは両足を前後一直線にしているためロンベルグ試験に比べたらバランスをとるのが難しく、ロンベルグ試験に比べると高感度に深部感覚の異常を検出できる。しかしながら、高齢者でやる場合異常がないにもかかわらず陽性(つまり偽陽性)となってしまう場合も多いので注意が必要。故に高齢者診療においてはあまり実用的ではない。