つねぴーblog@内科専門医

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非定形性肺炎の定義とその特徴

非定形性肺炎の定義とその特徴

 

肺炎は原因によって大きく3つに分類されている。
・細菌性肺炎:肺炎球菌、インフルエンザ菌など
・ウィルス性肺炎:インフルエンザウィルス、麻疹ウィルスなど
・非定型肺炎:マイコプラズマやレジオネラなど普通の細菌とは性状が異なる菌による肺炎のこと。

非定型肺炎の定義は教科書により様々であるがステップ内科学によれば「主に細菌以外の病原体により惹起され、乾性咳嗽を中心とし、βラクタム系抗生物質が無効なタイプの総称」とのこと。戦前は大量の膿性痰を喀出する細菌性肺炎が典型であり、それ以外は典型的ではないと考えられたことに由来する名称のようである。非定型肺炎では痰がほとんどなく(病変の中心が間質であるため)、咳嗽が強く、またcoarse crackleが聴取されないという特徴も持つ。


細菌性肺炎に比べると発症がゆっくりで発熱も軽度なことが多い。しかしながら細菌性肺炎に用いるβラクタムが効かないため鑑別が重要となる。

以下、非定型肺炎の特徴について

 

■レジオネラ肺炎

・温泉などの水を介して感染
・免疫力の低下している高齢者などに多い
・尿中抗原検出
・BCYE-α培地で培養

 

■マイコプラズマ肺炎

・ヒト→ヒトで飛沫感染
・健康な若年者で集団流行(感染力が弱いので学校など濃密な接触をするような場所でないと流行らない)
・頑固な乾性咳嗽
・非定型肺炎のうちもっとも多い
・細胞壁を持っていないが故にβラクタム無効
・気道に入って粘膜の上皮細胞を破壊し、間質にはいる(レントゲンでスリガラス様陰影)

 

■クラミジア肺炎

肺炎クラミジア(byChlamydia pneumoniae)

・ヒト→ヒトの飛沫感染
・無症状、自然治癒するヒトが多い
・成人の5〜6割が既感染者

 

オウム病(By Chlamydia psittaci)

・鳥→ヒトの塵埃感染
・鳥の排泄物を経由
・細胞壁はあるものの、ペプチドグリカンを持っていないため、βラクタムが無効。
・多臓器不全、髄膜炎、DICなどを合併して重症化しやすい