肺胞タンパク症のCT画像でメロンの皮様となる理由
肺胞タンパク症のCT画像で「メロンの皮様」となる理由
肺胞タンパク症の発生機序
健常人では顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)と呼ばれる物質の作用によって肺のサーファクタントが貪食され、サーファクタント量が一定に保たれるようになっている。しかし、肺胞タンパク症患者では、GMーCSFに対する抗体が作られ、肺胞内の肺サーファクタントがたまってしまう。すると肺胞内のガス交換面積が減少し、PaO2が低下して呼吸困難状態となってしまうのである。
肺の二次小葉の構造としては真ん中に気管と血管の通り道が、隔壁のところにリンパ管と静脈の通り道があった。肺胞タンパク症ではこのリンパ管の所にサーファクタントが蓄積してしまう。故に小葉隔壁を中心に白くなる。これはメロンの皮の表面が白くスジ状になっているものを連想させることからこの喩えが用いられるようになった。
(おまけ:ニューモシスチス肺炎でも炎症が強く、リンパ管から炎症細胞が出てきて隔壁部にたまり、メロンの皮葉のCT所見を示す。)