とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

蜂窩織炎へのアプローチ

・蜂窩織炎(蜂巣炎)とは

 

深部皮下結合組織において起こる皮膚感染症で、下肢や顔面、手などに好発するが身体のどこにでも生じうる。境界は不明瞭で圧痛、熱感、浮腫などを呈する。

似た感染症として丹毒があるが、丹毒はより表層の皮下組織を侵す。

 

【皮膚感染症の深さのイメージ図】

丹毒 erysipelas、 蜂窩織炎:cellulitis、ガス壊疽:gas gangrene

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画像参照:Skin &soft tissue infection

 

【問診】

蜂窩織炎は皮膚の細菌感染なので、免疫力が低下している患者に起こりやすい。

基礎疾患で糖尿病、腎不全、免疫抑制剤の使用、術後のリンパ浮腫、外傷の既往歴などがないか問診する。外傷の他に骨髄炎など別の感染源から身体の深部から表層側に二次的に広がって蜂窩織炎を起こすこともある。

 

【身体所見】

局所的に圧痛、熱感、リンパ浮腫、循環不全などを認めないか

もし異物があれば除去し、創傷があればデブリードマンと洗浄を行う。

 

【治療】

原因菌は黄色ブドウ球菌が多く、A群β溶連菌もありうる。

抗生剤としてはβラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン、もしくはセフェム系が選ばれる。具体的には…

【点滴】ユナシン®、セファゾリン(セファメジン®)

【内服】オーグメンチン®、ケフレックス®

(レジデントノート、増刊:皮膚診療ができる!参照)

点滴と内服の使い分けであるが、おおよその目安として基礎疾患のない患者であればWBC15000以下、CRP10以下であれば内服治療も可能。

 

入院適応(絶対的な基準はないが、以下の場合は考慮)

・血圧や脈拍が安定しない場合

・高熱や重度の疼痛を訴える場合

・皮膚病変の面積が各肢または体幹の50%を超える時

・皮膚病変が全表面の10%を超える時

・蜂窩織炎の辺縁が急速に(1時間に5cm以上)のペースで広がる時

・顔面に病変があり眼に波及して失明リスクが有る時

・抗生剤内服して72時間以内に症状改善しない場合

 

◯下腿の蜂窩織炎

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https://coreem.net/core/cellulitis/

 

◯下顎部の蜂窩織炎

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「The Current Color Atlas of Skin Diseases」より

 

また追記、更新します。