つねぴーblog@内科専門医

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細菌感染でCRPはWBCに遅れて上昇する理由

細菌感染でCRPはWBC(白血球)に遅れて上昇する理由

 

細菌感染では血中のCRPもWBCも上昇するがそれぞれピークになる時間に差がある。

それぞれどのように血中濃度が上昇するのかを考えるとわかりやすい。

 

【WBCとCRP上昇のイメージ図】

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画像参照:http://healthil.jp/

 

CRPについて

CRPは細菌感染によって動員されたマクロファージが産生するIL6によって肝臓が産生するタンパクである。故にIL6の刺激を受けてから肝臓が一から合成を始めるので時間がかかってしまう。血中のCRPが上昇し始めるのは感染後12時間といわれている。CRPがピークになるのは感染から2,3日後の話であり抗菌薬治療で全身状態が改善していてもCRPだけは上昇することもある。

 

WBC(白血球)について

白血球もCRPと同様にマクロファージによって血中濃度が上昇する。マクロファージは顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を分泌し、これが肝臓、脾臓、肺などに作用し、それぞれの臓器にいる好中球を血中に遊走させる。またそれと同時に骨髄での好中球産生も亢進させる。WBCの血中濃度は感染後数時間で上昇し始めるといわれている。