肩・上腕の外傷へのアプローチ(編集中)
・外傷全般的な話
受傷機転を必ず聞く(内科的疾患が隠れてないか)
四肢外傷であれば患側と健側を比較する
変形、疼痛、圧痛、叩打痛、腫脹の確認
(特に骨折部は軽く叩いても痛む)
感覚障害の有無を確認
運動障害の有無を確認
循環障害の確認
・脱臼であれば
脱臼は転位が大きく周囲の神経や血管を圧迫して障害しうるのでできるだけ早急に整復する。
・打撲、捻挫であれば
RICE(R=rest、I=icing、C=compression、E=elevation)が基本。
またレントゲンでは小さな骨折は見逃しうることも説明。
【肩・上腕の外傷へのアプローチ】
肩関節を構成するものは鎖骨、肩甲骨、上腕骨。
■鎖骨骨折
診察:
肩から転落などの外傷歴
腫脹や変形がわかりやすい。
神経症状の確認:近くに腕神経叢
循環障害の確認:近くに鎖骨下動静脈
呼吸音の確認:気胸を合併していないか
検査:
X線2方向(正面像、30度斜位像)
治療:
中央〜内側の骨折であればクラビクルバンド。
外側の骨折であれば三角巾固定。
合併症なければ後日整形外科でフォロー
■肩鎖関節脱臼
診察:
肩を下にしての転倒などにより生じやすい。
肩鎖関節周囲の疼痛、腫脹、圧痛を認める。
鎖骨の突出が顕著となる(転位した鎖骨が皮膚損傷を起こしていないか要確認)。
検査:
レントゲンで肩鎖関節撮影
治療:
三角巾固定で疼痛ケアし、後日整形外科でフォロー。
画像参照:関節・スポーツ整形外科センターの診療内容:一般的に多い肩関節疾患|関節・スポーツ整形外科センター| 病院施設のご紹介 | 京都九条病院
■肩関節脱臼
診察:
状況 転倒して手をついて肩関節に外転、外旋の力が同時に働くことによって生じる。
視診で肩関節の変形を認め、触診で肩峰の下に上腕骨頭を触れない。
腋窩神経麻痺の合併に注意(上腕外側の感覚の低下ないか)
95%が前方脱臼。
検査:
X線で正面像、スカプラY撮影オーダー。
X線で上腕骨頭が関節窩に収まらず、前方に転移している。
治療:
できるだけ早急に徒手整復を行う。整復参考動画
整復したらデゾー固定3週間必要。
■上腕骨骨折
診察:
転倒で手をつくことで生じやすい
腫脹、疼痛、皮下出血で骨折を疑う
神経症状の有無の確認:撓骨神経麻痺(骨幹部骨折)
循環障害の有無の確認:上腕動脈損傷はないか
検査:
近位部骨折なら肩関節2方向
骨幹部骨折では上腕骨2方向
遠位部骨折では肘関節2方向
治療:
近位部骨折ではシーネ固定できないので三角巾+バストバンド
遠位部骨折では上腕〜前腕までのシーネ固定を行う
(編集中)