つねぴーblog@内科専門医

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動脈硬化でもCRPが上昇するという話

動脈硬化でもCRPが上昇するという話

 

CRPは感染や慢性炎症、悪性腫瘍などで上昇する急性期蛋白であるが、動脈硬化でも上昇することが近年報告されてきている。動脈硬化でCRP上昇というと意外な感じがするかもしれないが、「動脈硬化=血管の慢性炎症」と考えればCRPが上昇するのも当然の話しかもしれない。

動脈硬化が原因として引き起こされる大動脈瘤でもCRP上昇することが知られており、また大動脈瘤の径が大きければ大きいほど血中CRP濃度も高くなるとのことである。また、心筋梗塞の発症リスクと血中CRPも相関するようであり、将来的にはCRPを元にAMIリスクなどを説明できるようになる可能性はある。

 

ただ、動脈硬化は血管のごく一部の炎症であるためにCRPよりもより鋭敏な高感度CRPでなければ検出できないことも多いので注意が必要。健常人のCRPは0.04mg/dlほどであるのに対し、0.3mg/dlをカットオフ値として動脈硬化を指摘できるとの報告もある。