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とある研修医の雑記帳

東京から大阪の医学部へ亡命して研修医になった人のブログ。勉強のまとめ、思いつきの考察、ちょっとした雑学などなど。アウトプットが趣味です。

声音振盪の亢進と減弱

声音振盪とは患者さんに低い音で発声してもらい、その声の響きが肺を通って体表にどのように伝わるかを調べる検査のことである。左右差に注意して検査する。

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画像引用:医学書院/週刊医学界新聞 【〔連載〕OSCEなんてこわくない(3)】 (第2380号 2000年3月20日)

 

 

■声音振盪の方法

手を広げて水平にして、患者さんの背中に尺骨側をあてる。

患者さんに「ひとーつ、ひとーつ」と繰り返し声を出してもらい手にどのように響くか調べる。更に聴診器を用いて聴取する(声音聴診)と異常がわかりやすい。(例:胸水が貯まるとやぎ音が聴取される)

 

この声音振盪が大きくなっている場合(亢進)と小さくなっている場合(減弱)はそれぞれどのような意味があるのか。基本的には声門から胸壁への音の伝導性が高いか低いかで亢進するか減弱するかが決まると考えて良い。

 

声音振盪亢進の原因

・肺炎

・肺結核

・肺胞内癒着

・小さな無気肺

肺炎や肺結核などの浸潤性病変では肺胞内に水がたまり音が響きやすくなる。また、強膜内癒着では内部でしっかりと固まっているのでこれも音の伝導性は増加する。

 

 

声音振盪減弱の原因

・胸水や気胸などの胸腔内の異物

・大気管支の閉塞

・大きな無気肺(肺が圧縮されるので)

・肺気腫(肺内の含気が増えるので)

胸腔内に水や空気などの異物があると気道での振動が胸壁まで伝わりにくい。

 

無気肺では声音振盪は亢進/減弱どちらの可能性もある。これは無気肺にはいくつかのパターンがあるからであり、例えば気道閉塞によって肺が圧迫されて無気肺になれば声門から胸壁への音の伝わりは良くなる。一方で、胸水貯留による無気肺では肺の周りに音の伝導を邪魔する水が貯まるということになるので音の伝わりは悪くなり声音振盪は減弱する。