つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

びまん性汎細気管支炎でエリスロマイシン少量投与を行う理由

びまん性汎細気管支炎でエリスロマイシン少量投与を行う理由

 

びまん性汎細気管支炎とは両肺の呼吸細気管支に炎症が見られる疾患であり、遺伝的要因を基盤に発症する(HLAーB54の保有率が高い)。気道の感染防御がうまくできないために慢性的に感染と炎症を繰り返し、徐々に細気管支が狭窄して閉塞性換気障害をきたしてしまうのである。

 

以前は治療薬がなく死亡率の高い疾患であったが、エリスロマイシン少量持続投与の導入により5年生存率が95%以上と予後が大幅に改善されている。エリスロマイシンとはマクロライド系の抗菌薬であるが、殺菌作用を目的に使われているわけではない。そもそも抗菌作用を目的とするならば少量投与では意味がないし、投与期間も半年間〜2年間と抗菌薬としては不自然なほど長い。また、マクロライド系にはエリスロマイシン以外にもクラリスラオマイシンなどもあるがこれらはまったく効かない。

 

エリスロマイシンには殺菌以外の働きがあり、IL8の分泌抑制による好中球の遊走因子の抑制、ロイコトリエン産生の抑制、粘液の過剰分泌抑制などの薬理作用が知られている。これらによってびまん性汎細気管支炎の慢性炎症の悪循環を断ち切ることができていると考えられている。