つねぴーblog@内科専門医

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急性リンパ性白血病の寛解導入療法で腎不全になるのはなぜか

急性リンパ性白血病の寛解導入療法で腎不全になるのはなぜか

 

急性白血病の寛解導入療法では大量の白血病細胞が急速に破壊されるので、腫瘍細胞の中の核酸(DNA、RNA)が放出され核酸成分のプリン体により高尿酸血症をきたす。またそれに伴う尿路結石、急性腎不全を合併しうる。尿中の尿酸が高濃度になれば尿中で結晶化され、尿細管で詰まってしまうからである。

当然細胞内のカリウムやリンが漏れれば高K血症、高P血症もおこす。結果的に電解質異常および急性腎不全を合併しうる。これらの合併症は腫瘍崩壊症候群と呼ばれている。

予防としては尿酸合成阻害役であるアロプリノールの事前投与、補液と重炭酸による尿のアルカリ化で予防する。白血球数が多ければ多いほどリスクも高いので、一種類の抗ガン剤を少量から用いることも必要。