浸潤影とすりガラス様陰影の違い(+画像)
浸潤影とすりガラス様陰影の違い
【浸潤影とは…】
病変部で肺血管陰影が見えなくなるような濃厚で白い陰影のことをいう。病変部に空気が乏しいことを示す所見。空気が少ないというのは例えば肺炎などによって炎症が起きると水(滲出液)が貯まり空気がその分減ってしまう。
【すりガラス様陰影とは…】
病変部で肺血管陰影が透過できるような淡く白い陰影をいい、病変部に含気があることを示す所見。浸潤影と同様に肺炎などによって水が溜まった状態であるが、量は多くない。浸潤影は肺実質の炎症(いわゆる肺炎)で見られるのに対してすりガラス陰影は間質性肺炎で見られる。が、現在ではすりガラス陰影は肺胞性病変でも間質性病変でもみられる非特異的な所見とされつつある。
まとめると…
【浸潤影】
・とても白い
・背景の血管が見えない
・滲出液めちゃ溜まってる
・肺実質の炎症(肺炎)でみられる。
【すりガラス様陰影】
・少し白い
・背景の血管が一応見える
・滲出液ちょっと溜まってる
・肺実質の肺炎でも間質性肺炎でもどちらでも見られる。
つまり浸潤影とすりガラス様陰影はいずれも程度の問題であり、単純X線ではどちらとも判断できないこともある。原因精査の必要があればCTの肺野条件で撮影する。
【レントゲンにおける浸潤影の例】
https://www.yodosha.co.jp/rnote/gazou_qa/9784758105316_2a.html
【レントゲンにおけるすりガラス様陰影の例】
https://www.m3.com/open/clinical/news/article/241209/
【CTにおけるすりガラス様陰影の例】
【3の矢印が浸潤影、4がすりガラス様陰影、5は粒状陰影】
https://www.yodosha.co.jp/rnote/gazou_qa/9784758105316_2a.html
繰り返しになるが浸潤影では後ろの血管が見えない、すりガラス様陰影では血管が見える。