風邪、気管支炎、肺炎の違い
風邪、気管支炎、肺炎の違い
【風邪と気管支炎の違い】
風邪=ウィルスや細菌が上気道や鼻の粘膜に侵入し、咳や鼻水を呈する
気管支炎=ウィルスや細菌が気管支の粘膜に侵入し、痰を絡んだ咳が出る
気管支炎とは所謂風邪による炎症が気管から気管支にまで波及して咳や痰を生じるようになったものをいう。多くは風邪と同様にウィルス性のことが多いが、二次的に細菌感染による気管支炎が起こることもある。
臨床症状としては風邪と気管支炎は似ているので区別できないことも多い。どちらも1−5日間の発熱、倦怠感、筋肉痛などで発症する。ただし気管支炎は風邪と違い、1−3週間咳などの症状が持続する。咳だけでなく呼吸困難、胸部の違和感、嗄声を伴うこともある。
【気管支炎と肺炎との違い】
肺炎は気管支炎より更に先の肺胞で炎症が起きている状態。鼻水や咽頭痛など上気道症状の経過の途中で、心拍数100回/分以上、呼吸数24回/分以上、38度以上の発熱、膿性痰、聴診での雑音などが認められた場合は肺炎を考えなければならない。
(肺炎の臨床症状)
炎症所見(発熱、WBC増加、CRP上昇など)
+
下気道症状(咳、胸膜痛、胸部画像での浸潤影など)
肺炎の気管支炎との大きな違いは肺野の浸潤影があるかどうか。が、レントゲンで浸潤影が認められていなくても肺炎であることはしばしばある。例えば、早期の肺炎でまだ浸潤影が出現していない時や小さな浸潤影で見落としている場合などである。早期の肺炎であれば後に浸潤影が出現してくるし、小さな浸潤影であればレントゲンではわからなくても胸部CTで認めることもある。